20 [twenty]
JAPAN Major 2nd Album 2012.05.16
バンドで音を出すこと、轟音を放つこと。初期衝動の喜びや感動を楽曲にストレートに投影してきたFTISLAND。
2010年のメジャーデビューから2年を経て、時間を掛けながらじっくりと確立してきた彼らならではのサウンドとクリエイターとしてのカラーを、存分に詰め込んだセカンドアルバムである今作は、5thシングル『Let it go!』の多彩な展開とそれぞれのメンバーの個性が音になったパワフルなバンドサウンドから幕を開ける。ジョンフン曲にホンギとミンファンが歌詞を手掛け、高らかにバンドの意思や姿勢を鳴らす1曲から、そのまま重厚なロックチューンである7thシングル『NEVERLAND』へと繋いでいく流れはFTISLANDのライブを思わせる。
セットリストさながらに続いて行く楽曲たち。3曲目の新曲『STAY』は作詞、作曲共にジョンフンによる曲で、コーラスワークで聴かせるミディアムチューン。ミディアムながら力強く響く歌声とリスナーに寄り添う歌詞が印象的だ。
続いて7thシングル収録の『WANNA GO』。スンヒョン&ミンファンのタッグ曲にスンヒョンが作詞をしたパンキッシュでライブユースなアッパーソングだ。跳ねるビートに、ジャンプするメンバーが見えてきそう!
そして存在感あるサウンドと繊細なメロディで彩られたジェジンの作詞・作曲による『Someday』へ。ライブ中盤と同じく、アルバムも中盤でぐっと聴かせる楽曲に。
冬を彩ったラブソング『Distance』から新曲『always』への流れはまさにライブの中盤仕様!メロディアスなピアノと、スンヒョンの歌詞が“君”への強い想いを滲ませる1曲だ。
そしてそのままの彼らの姿を思わせる新曲『COMPASS』。素朴なくらいにシンプルなこの曲はスンヒョンとミンファン作曲で、歌詞はスンヒョンが飾らないそのままの彼らを綴られているのを感じさせる。
9曲目である新曲『PAPER PLANE』は詞曲共に手掛けたジェジンらしさの出た“歌モノ”ロック。リズミカルな楽器の音に伸びやかなボーカルが印象的だ。
『20』のライブは佳境へ。全ての楽器がボーカルと共に歌っているように響く『Endless Story』もジェジンが描きだした1曲。一体感と躍動感に、彼ららしいライブの息遣いが詰まっている。
そしてラストは6thシングル『Distance』収録の『LIFE』。ジョンフン曲にジェジンが言葉を乗せ、タイトル通りに彼らの生きる“今”の想いが綴られたミディアムロックチューンは、5人のまっすぐな瞳を彷彿とさせる生命力と存在感とに満ちた曲である。
もちろんライブはアンコールへ!ボーナストラックとして初回限定盤に『SATISFACTION』のKorean Versionが、さらに通常盤には全編英語詞でホンギのネイティヴな英語を堪能できる『HIT THE SAND』が収録されている。これらボーナストラックも含めて“今”のFTISLANDのリアリティとライブ感、そして息遣いまでもが詰まる今作。
デビューから2年を経て、メンバーの平均年齢も20歳となった今だからこそ滲む成熟しつつあるバンド像を感じて欲しい。